★ 特許法等の一部が改正されます。
<改正される主な点>
1.通常実施権等登録制度の見直し(特・実)
@特許出願の段階から第三者に実施許諾し、その対抗力を具備するための登録を受けることができるようになります。
A秘匿の要望の強い通常実施権の登録事項(ライセンシーの氏名や範囲等)についてはその開示を利害関係人に限定することが可能となります。
2.不服審判請求期間の見直し(特・意・商)
@拒絶査定不服審判請求期間(現行:「30日以内」)が「3月以内」となります。また、それに伴い特許請求の範囲等の補正期間(現行:「審判請求から30日以内」)が「審判請求と同時」にのみ可能となります。
A意匠と商標の拒絶査定不服審判と補正却下決定不服審判について、審判請求期間(現行:「30日以内」)が「3月以内」となります。
3.特許・商標関係料金の引き下げ(特・商)
特許料(特に10年目以降)と、商標の設定登録料等について重点的に引き下げられます。前者は平均12%の引き下げ、後者は平均43%の引き下げとなります。この料金改訂によって、例えば商標の設定登録料では現行の6万6千円が3万7千6百円(1区分当り)、更新登録料では現行15万1千円が4万8千5百円(1区分当り)と大幅に低くなります。
※ 上記3.は平成20年6月1日から施行されます。その他の改正事項に関する施行日は未定です。
★ 特許法の一部が改正されます。
<改正される主な点>
1.分割の時期的制限の緩和(44条1項)
特許査定後又は拒絶査定後の一定期間(30日)にも出願の分割が認められるようになります。
2.分割出願の補正制限(44条1項)
分割出願の濫用を抑止するために元の出願の審査において通知された拒絶理由が解消されていない分割出願については、補正の機会が制限されます(50条の2等)。すなわち、最後の拒絶理由通知と同様の補正制限が課せられます。
3.別発明に変更する補正の禁止(17条の2第4項等)
最初の拒絶理由通知を受けた後は、審査の対象を技術的特徴の異なる別発明(補正前の発明と単一性の要件を満たさない発明)に変更する補正は禁止されます。別発明に変更する補正は拒絶理由の対象となります(最後の拒絶理由通知後の場合は補正が却下される)。ただし、実質的な瑕疵がないので無効理由にはなりません。
4.外国語書面出願の翻訳文提出期間の延長(36条の2第2項等)
最初に外国語で日本に出願した場合に、追って提出すべき日本語翻訳文の提出期限が出願日から1年2月となります。パリ条約の優先権主張を伴って日本に第二国出願した場合には、第一国出願日(優先日)から1年2月となります。
※ 上記は平成19年4月1日から施行されます。
★ 商標法の一部が改正されます。
<改正される主な点>
1.小売業及び卸売業サービスマークの登録制度が導入されます(2条1項)
(1)小売業者等が商品販売に際して行っている顧客に対する便益の提供(品揃え、陳列、接客サービス等からなる総合的なサービス)は、商品の販売に伴う付随的な行為とされて、これまでは保護されませんでしたが、今回それを第35類のサービスマークとして登録可能となります。
(2)施行日は平成19年4月1日です。
(3)経過措置について
・施行日から3月間の特例期間にされた出願は同日のものとして審査されます(出願日の特例)。
・出願日の特例の適用を受けた結果、同日出願となった出願同士については、施行前から使用していた商標に係る出願が優先して登録され、出願日の特例の適用を受ける出願が複数ある場合は重複して登録されます(使用に基づく特例)。
・施行日前から不正競争の目的でなく継続して使用している場合には施行後も継続して使用できる権利が認められます(継続的使用権:抗弁権)。
★ 意匠法の一部が改正されます。
<改正される主な点>
1.意匠権の存続期間の延長(21条)
意匠権の存続期間が、これまでの「登録から15年」から「登録から20年」に延長されます。
2.関連意匠の出願できる時期の延長(10条)
関連意匠の出願は、これまで出願と同時でなければできなかったが、公報発行までできるようになります。
3.新規性喪失の例外に係る証明書類の提出期限の延長(4条3項)
これまでは出願から14日以内であったが、30日以内まで延長されます。
4.部品・部分のデザイン(部分意匠)の出願の時期的要件の緩和(3条の2但し書き)
これまでは、ある物品の意匠を出願した後に、その物品の一部を部分意匠や部品意匠として出願することができなかったが、出願人が同一の場合にはできるようになります。
5.画面デザインの保護対象の拡大(2条2項新設)
これまでは、情報家電等の表示画面は初期画面しか保護されなかったが、初期画面だけでなく、物品の用途及び機能を実現するために表示される画面(画像)も部分意匠として保護されるようになります。
6.その他
秘密意匠の請求が出願時のみでなく、登録料納付時もできるようになったこと(14条2項)、意匠の類否判断は需要者(消費者、取引業者)の視覚による美感に基づいて行うことが明確にされたこと(24条2項新設)、等。
※ 上記3.は平成18年9月1日から施行され、それ以外も法律公布の日から起算して1年を超えない範囲内で施行される予定です。
※ 意匠法のほかに商標法と特許法も一部改正が行われていますが、詳しくは特許庁のホームページ(当ホームページのリンク集にあり)をご参照下さい。
★ 平成17年4月1日より実用新案法の一部改正が施行され、また新たに知的財産高等裁判所が設置されます。
<実用新案法で変更された主な点>
1.実用新案権の存続期間の延長
実用新案権の存続期間が、これまでの「出願から6年」から「出願から10年」に延長されます。これに伴い、第7年から第10年の登録料が新設されるとともに、第1年から第6年の登録料が引き下げられます。
2.実用新案権に基づく特許出願の可能化
実用新案権として設定登録された後も、実用新案登録出願から3年以内であれば、特許出願へ変更することが可能となります。ただし、評価請求又は無効審判の請求があった場合には変更することはできません。
新たな特許出願はもとの実用新案登録出願の出願時に出願されたものと扱われます(もとの実用新案登録出願は特許出願の出願時に放棄しなければなりません)。
3.上記1.2.とも平成17年4月1日以降の出願から適用されます。
<知的財産高等裁判所の設置>
平成16年6月に成立した知的財産高等裁判所法(平成16年法律第119号)により、東京高等裁判所の特別の支部として設置されます。
取り扱う事件は、@東京地裁・大阪地裁を第1審とする、全国のすべての特許権、実用新案権等に関する民事訴訟(侵害訴訟)の控訴事件、A東京地裁・大阪地裁又は全国の裁判所を第1審とする、東京高等裁判所の管轄内の意匠権、商標権、著作権、不正競争等に関する民事訴訟(侵害訴訟)の控訴事件、及びB特許庁の審決に対する訴訟(審決取消訴訟)です。
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